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2017年10月 7日 (土)

 古典管を分解しました

いつものオーディオ講座 VALVO LK460 旧ナス管を分解
いつもこんな風にオーディオ講義が行われていますが、明日の講座を前にして昨日行われた講義の一部を記録しておきました。
独逸VALVO LK460 旧型ナス管の分解写真を多数撮りましたし、すこし記事にして、ご興味のある方、明日のオーディオ講座に来られない方のための勉強の一助になるようにしました。
ここ数年間レコード買出しをしていません。レコードショップを止めましたので仕入れを起こす必要がなくなったためです。と同時に真空管の買出しも行わなくなってしまいました。そこで、先方から送ってもらうのですが、これが間々破損してきます。取分け大型管やナス管は頻繁に起こります。今回のものも同じで、フィラメントとグリッドが接触して、どのようにしても元に戻らないので、分解し構造解析をすることにしたものです。

Dsc_1024_2

元はこのような旧型管です。相手方での測定では、Ep200V Eg-40VでIp30maが流れるというものでした。同梱されてきた他のナス管は無事でしたので、相手方の偽りではなく、輸送上の問題ということにしました。原因を調査するといっても、現実的には出来ず、結局曖昧になり、不快感を残すだけとなります。保険を適応させればよいというのも偶になら可能ですが、そう頻繁には行えないものです。
さて、どのような問題がこの真空管に起こったのかというと、フィラメントは導通しますが、グリッドーフィラメントも同じ程度に導通してしまうのです。つまり、グリッドーフィラメントがタッチしているということになります。

Dsc_1018

ガラスを割った直後の状態です。プレートが大きく変形していますが、割ったときに変形したものでもあります。
割った時には、マグネシウムが発火しました。

Dsc_1020

プレートを切り開く前の吊ったフィラメント側から見た状態です。プレート内側にメッシュがはってあります。

Dsc_1022

これは、プレート片側を切り開いた状態です。少し整えています。
ふと気付いたところ。上フィラメント吊り金具は4箇所、下のフィラメント固定金具は6本がステムから出ています。更にプレート支柱は片側2本の計4本あります。相当堅固に支えられている状態がわかると思います。

Dsc_1023

グリッドとフィラメントの線材の太さは違いますが、大変近いものです。

Dsc_1026

上部フィラメント吊りは4本を繋いでいます。

Dsc_1027

今度はステムを見ましょう。
フィラメント用ピンは6本各3本をステム内にてジメット線でつないでいます。つまり、往復させたフィラメントは8本になります。
戦後AD1をPHILIPSが再生産したときと同じです。
ステム内での加工を行っていたとは、初めて知りました。

Dsc_1028

これがその実写です。また、大型のプレートを支えるためには、4本の支柱が必要としたのです。それでもプレート上部は衝撃で変形しにくい構造ですので、結果として、プレート支柱がステムから剥離していくしかなくなります。

Dsc_1029

このようにステムの破壊がおきました。
この画像のもうひとつ大事なことは、グリッド支柱の根元にはニッケル円盤が黒いですが入っています。こういう細かい製造ノウハウが真空管製造黄金期には積み上げられていきました。

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