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2014年7月21日 (月)

素人の知ったかぶり、玄人の無知 その8

たまには、本シリーズのつづきを掲載しようと思っていましたが、日々お金に追われる事業者ですので、儘にはならず時間が過ぎていきました。

そんな折、販売した真空管のトラブルがあり、貴重なサンプルを入手できましたので、ここに記録することにしました。

サンプルはECC83です。未使用品グレードで、測定器では問題点が発見できない程度の品質を保持していました。

では、問題点とは何か。

使用時しばらくしてから、プシューと音がし、急に片側の信号が小さくなったそうです。
再度検査をしてみると、電気を入れた瞬間、ECC83より発光し、安全装置が働いたため電源を切りました。こんなことは滅多にありません。

製造工場はオランダPHILIPS Heerlen工場です。1970年代の製造とのことでした。

Dsc_0439

完全に分解し各パーツに仕分けしたところです

パーツは1)プレート2つで2枚袷のものです。2)ステムピンフィラメントが付属してあり、それぞれガラスや金属に融着されているものです。3)グリッドカソード下部マイカとともにあります。4)上部マイカは2枚で形成されていましたので、分解してみました。5)ゲッター板は円盤型です。

 

Dsc_0440

2)ステムを電極側からみたもの。フィラメントは折り返してカソード・スリーブに収納してあったものです。12Vでも6Vでも使用できるようにつくられている様子がわかります。

 

Dsc_0441

フィラメントはコイルに絶縁物が塗布されていますが、その均一性や溶接部分への未塗布方法などは、生産技術および管理技術の高さを物語っています。かつては名だたるメーカーすべてはこの水準でした。

 

Dsc_0443

 

1)プレートには何の変異もありませんでした。

Dsc_0444

3)グリッドカソード下部マイカ の拡大画像です。

 

Dsc_0445

 

別角度からみたものです。

グリッド巻が均一であり、支柱に緩みなく溶接してあるのはさすがPHILIPSです。

 

Dsc_0446

 

さらに別角度でみたものです。

 

Dsc_0447

 

さて、カソードをよくみると、問題があることがわかります。一部円形にカソード塗布部がはがれています。

 

Dsc_0449

 

2枚のマイカにはアルミナが塗布されています。また、細かい芸がマイカに施されていて、PHILIPSのみのノウハウがちりばめられています。TELEFUNKENでも見ることのできないものがあるのです。

 

斯くの如く、完全分解し解析した結果だけを申し上げますと、本真空管には問題がなかったことがわかりました。使用したアンプのおそらくカップリング・コンデンサーに性能劣化があるのではないかという疑いを持って今後のテストを待つことになりました。

この夏から東京にてレコード・コンサートを開催します。オーディオ講座も併せてどう行うかを思案中ですが、それと並行して会員制ブログを開始したいと思います。会員制ブログは今まで営業妨害にあたると考えられる内容は公表できずにいたことも含めて、オーディオとレコードに関することを自由にかつ責任を持って発言していく場とする方針です。決してTWEETする場ではありません。例えば、本真空管の分解・解析によって、どのようなことが発生し、なぜその現象が起こったのか。その結果どのようなことがこれから発生するか、などを具体的に記述することもそこで行いたいのです。

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