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2012年8月 9日 (木)

岡谷HF-300Bと日本の300B

真空管を販売していますとたくさんの誤解や思い込みに出会います。それらを少しずつ記事にしていけば、すこしは正確な情報が普遍化されて妄想・幻想が減っていくであろうと思います。
資料編は投稿を受け付け、指摘した過ちのみならず当方の過ちも正されることを期待しましょう。

(2014.12.29追加)
この間のJIMTEC騒動について、とても楽しい時を持てました。ただ、真相は改善されずに未だUSR=岡谷といいまわっていられる方がいらっしゃいます。真相の門前に立ちながら、何故に門をくぐらないかわかりませんが、引き返される方がいられます。当方が、この件にこれ以上立ち入る必要はありませんが、真相をお知りになりたいのであれば、日本には、真空管を研究・展示している大学がいくつかあるようですので、そちらのお聞きになれば、良いと思います。中でも、電通大は資料の豊富さ、研究者の厚さは群を抜いていています。都合がつけば、現物をもとに解説をしてしていただけます。

第1回目は、岡谷電機が製造したAUDIOTRON HF-300Bです。

ご存知の方も多い、大変よくできた300Bです。生産数はxxxx本、フィラメント2.5Vや試作に終わったダブル・プレートのものもありました。市販されませんでしたが、WE300Bプレートを使用したものまで製造していました。HF-300Bを追求したチームの探求・研究心を知れば、真空管の見方まで変わるのです。

1)もちろんこれらの補修用の真空管(WE300Bのこと;注楽鳴舎)が市場に出回ることなど皆無で、関係者以外の入手は困難であったそうです。私は、1950年代に日本で製造された岡谷のHF-300B Auditron以外、1980年前半まで、ウエスタン・エレクトリックの純正300Bは日本でも海外でも見たことはありませんでした。(アンティーク真空管ラジオ、真空管アンプのTRNより)

2)日本では1974年に岡谷電機産業(株)がHF-300Bと言う型番でモデファイして発表しています。(EmissionLab 魅惑の真空管 オーディオアンプより)

2)は1)の年代を修正したものとして引用しました。HF-300Bは発売は70年代だったのです。
また、WE300Bの米国での状況は日本とはまったく異なるものでした。

3)逆に残念な球は、セトロン300B、1997年以降のWE300B、岡谷HF300B、です。これらの球は上部のマイカが茶色く変色しているものが多く、2本のばらつきも多いので10万円以上出して買う球では無いと思います。もちろんこれらの球は昔は安かったのです。(真空管アンプ修理mkbより)

上部のマイカが茶色く変色しているという現象は、全てのオーディオ管にでてきます。WE300Aであろうが、WE300B刻印であろうが、USN CW300Bであろうが、ある程度使用すれば、茶色く変色するのです。この方の根拠としているサンプルの数と使用方法がわかりません。真空管の構造・材質を誤解されていなければよいのですが、これだけではわかりません。
4)JMTECの2A3の出所は、東欧でも中国でもなく、岡谷ロダン真空管が濃厚。それは作りを見ればわかる。
プレートの材質や、表面処理は日本製。古いマツダ球とも似ている。しかもスプリングでフィラメントをつっている。
およそ1970年代製造の新型の球でスプリング吊りというのが決め手。ゲッターがきれいなのを見れば、
戦前の各社のスプリング吊りの球とも違う。その当時でも戦前の球のストックはなかったろう。
下側のマイカは、処理がHF-300Bのものと酷似している。ゲッターの飛ばし方も、岡谷製2A3に似ている。だから、JMTECマークの300Bは、岡谷ロダンのHF-300Bのはず。(2CHログ OTL回路 MB-850-A : 2007/07/16(月)書き込みより)
JMTECは戦前よりある日本の真空管メーカーです。主に2A3を製造していたところですが、どうしても真空度が上がらないので、あるとき岡谷に相談に来たそうです。それはJIMTECに社名変更となる前の話です。それ以来、先生を越すことはできませんでしたが、不良率は桁違いに減ったそうです。ですから、ゲッターの飛ばし方も似るのは当然です。この方の見立てや知識での問題点は、JMTEC 2A3が人造マイカを使用していることを説明していないことです。岡谷は絶対人造マイカを使用しませんでした。300BはJIMTEC自身の製造のようですが、わかりません。生産数が判明すると部品や生産の全てがわかります。プレートやマイカが小ロットでつくられることはないのです。<この部分情報収集に誤りがあったようです。;JMTECは真空管メーカーではありません。実際に製造したメーカーは秘密なのですが、当時ある大メーカーの下請けといわれています。>
5)USR 300B 海外通商(岡谷製の海外向けブランド?)(響 HiBiKiのリストより
USRもどこで生産されたのか、全くわかりません。現物を入手すればある程度はわかりますが、購入する価値はないので不明なままにしておきます。JIMTECもUSRもプレートをどのように入手したのか、これが最大のなぞになります。推測はつきますが証拠がありませんので、機会があれば記事にします。また、HF-300BはOEM生産はしませんでしたから、海外向けプランドという発想にはある根拠にしかありえません。<海外通商はあきばの販売店で、イコールJMTECだそうです。>
2014年10月14日追記
JIMTEC 2A3の製造メーカーがわかりました。実際に生産したメーカーの関係者からの情報です。JIMTEC 2A3の商品ページにてご紹介します。



2012/08/09 追記
岡谷HF-300BとJIMTEC 300B、USR 300Bとの見分け方
 プレート下部マイカにロットが入っているのが岡谷製です。マークが消されていたりプリントされていたりしたときには、このマイカに記されたロットを探してください。
ところで、HF-300BはWEと同じように、1万時間に耐えるものとして設計・製造されました。JIMTEC 300BやUSR 300Bは岡谷電機にて設計・製造されたものではないので、耐久性に係るデーターがありません。データーの投稿を是非お願いします。
     5)USR 300B 海外通商(岡谷製の海外向けブランド?)の続き
つい最近、現物を見る機会を得ました。それにより、USR 300Bの状態が良くわかりましたので、報告しておきましょう。
1.マイカは手加工ですから、端部がギザギザとなっている部分がある。数十枚程度のものということです。
2.ゲッター台はリングですから、岡谷製ではありません。特注で請けたなどと考えないで下さい。メーカーが小ロット生産をするということがどんなことか理解できないなら別です。1970-80年代ですよ。
3.電極変色
a.プレートの一部が灰色白色になっている。錆をそのままにして使用すると同じ現象を起こします。
b.電極が支柱が虹色や紫色になっている。排気が不十分にもかかわらず高熱を与えると金属に着色します。
4.溶接が雑であるので、金属が飛散してマイカに付着している。
これが岡谷製品とすると、岡谷電機は、三流会社であったことになります。USR 300BとHF-300Bの違いが分からないということが何を意味しているのかは、以上でお分かりでしょう。

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